漆の乾燥は環境が一番大事!



漆器は生地に漆を塗って出来上がる器ですが、漆ってどうやって乾燥すると思いますか? 絵の具みたいに自然乾燥でいいのか、髪を乾かすときのように風を当てるのか? 漆を乾かすための方法や条件を紹介していきます。


漆を乾かすためには

乾かすといえば空気が乾燥していて高温であるほど水分が抜けて乾いていくと考えますが、漆は違います。


漆の乾燥は適度な温度と湿度が必要です。

温度

24℃~28℃

湿度

70%~85%

上記の条件から外れた環境では、乾きにくくなります。 この性質は漆に含まれる「ラッカーゼ」と「ウルシオール」という成分によって成り立っています。


ラッカーゼとウルシオールの化学反応

漆の成分はウルシオールとラッカーゼ酵素と水分とゴム質によって構成されています。 乾燥するにあたってラッカーゼ酵素が空気中の水分から酸素を取り込んで、ウルシオールと混ざり合い固まっていきます。

この化学反応は絵の具が乾くような原理とは違って、乾くまでに時間もかかります。


漆塗り職人はうるし風呂で乾かす

漆塗り職人は塗りたての漆器を乾燥させるために写真のような「うるし風呂」と呼ばれる収納庫で乾燥させます。 木材で組み立てられたうるし風呂の中に、水を染み込ませた布をかぶせたりしてベストな湿度を保ちます。 湿度が高すぎても漆が急激に固まることになり、塗った表面が写真のように縮れてしまいます。 職人が乾いたかどうか確認するときは息を吹きかけるそうです。 白く曇れば乾いたことを確認できます。


乾いた漆は最強の塗料!

乾いて個体になった漆は、最強の塗料です。 アルカリや酸や塩分に強く、耐熱、耐水性も高く、接着剤としても利用される強度があります。

最強の塗料でも漆はかぶれると聞いたことがあると思います。 しかし、完全に乾いた漆でかぶれることはありません。


まとめ

漆は乾燥が特殊であることにより、とても機能性の高い塗料になります。 そんな漆を塗っている漆器はとても万能なうつわですので、おうちに眠っているのであれば一度使ってみるのもいいと思います。