器の部位名称を知ると食器選びが変わる:和食器・洋食器の基本を解説
- urushi9emon
- 7月7日
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器を選ぶとき、デザインや大きさだけでなく器の「部位」に注目してみたことはありますか?器にはそれぞれ名前のついた部位があり、それぞれに役割があります。今回は、代表的な器の構造や名称、それぞれの意味や機能について詳しくご紹介します。
器の基本的な部位名称
器の部位は、和食器・洋食器問わず基本的な構造があります。特に和食器では、器の名称に伝統的な意味が込められています。
口縁(こうえん)/縁(ふち)
器の最上部、口をつける部分。薄く繊細なものほど高級とされる一方、厚みがあると丈夫で普段使いに適しています。
胴(どう)/身(み)
器の中心部分。料理を盛る主なスペースで、形やサイズにより用途が分かれます。椀物、鉢、茶碗などでは胴の深さが大きく異なります。
高台(こうだい)
器の底についている台座部分。和食器特有の構造で、持ちやすさと安定性、そして見た目の美しさを兼ね備えています。高台の形状で器の格も変わるといわれます。
底(そこ)/畳付き(たたみつき)
器の一番下の部分。和食器では「畳付き」と呼ばれる、釉薬をかけずに焼く輪状の部分があり、器を安定させるとともに重ねやすくしています。
和食器に特有の部位名称と特徴
和食器には、茶碗や椀に代表されるように、独自の名称や構造が多くあります。
茶碗の部位名称
・見込み(みこみ)
器の内側の底。料理がよく映えるよう、釉薬や絵付けに工夫がされていることが多い部分です。
・腰(こし)
胴と底の中間部。丸みや角度により印象が変わります。
・高台裏(こうだいうら)
器を裏返したときに見える底の裏側。窯元の印(窯印)がある場合もあります。
汁椀の部位名称
・蓋(ふた)
汁椀には蓋つきのものも多く、保温性が高まり、正式な場にふさわしいとされています。
・肩(かた)
蓋と胴の接合部。蓋がしっかり閉まる構造になっているかで機能性が左右されます。
洋食器の部位名称と特徴
洋食器でも、名称は異なれど役割のある部位が存在します。
プレート(皿)の部位
・リム(rim)
お皿の縁部分。飾りや模様が施される部分でもあり、手を添えやすい実用的な面もあります。
・ウェル(well)
中央の窪んだ部分。料理を載せるスペースです。
・フット(foot)
底のリング状の足のこと。洋皿には高台はあまり見られず、このフットで安定性を保ちます。
カップの部位
・リム
飲み口の部分。滑らかさで飲み心地が変わります。
・ボウル
カップの本体部分。丸みや大きさによって、紅茶用・エスプレッソ用などの違いが出ます。
・ハンドル
持ち手。握りやすさ、指のかかり具合で使い心地が決まります。
器の部位を知ると、何が変わるのか?
・料理が映える器を選べる
「見込み」が広い器は、料理がよく映え、写真映えも抜群。「リム」にデザインがある皿は、盛り付けを引き立てる効果があります。
・用途に合った器選びができる
汁物には高台付きの椀を、煮物には深めの鉢を選ぶことで、食べやすさと美しさが両立します。
・上質さや伝統を理解できる
高台の形や仕上げ、裏印の有無などを知ることで、器の格や産地、作り手のこだわりを感じられるようになります。
まとめ
器の部位名称を知ることは「食を楽しむ力」を高める手段です。日々の食卓で使う器も部位ごとの意味や役割に注目すると、選び方や使い方が変わってきます。和食器ならではの「高台」や「見込み」、洋食器の「リム」や「ウェル」など、ひとつひとつに込められた意図を感じながら器をもっと楽しんでみませんか?
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