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冬にこそ映える、漆器のぬくもり

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凛とした空気が漂う冬。静寂の中に茶の湯の湯気や炊き立てのご飯の香りが立ち上る季節です。そんな冬の食卓に漆器ほど寄り添う器はありません。今回は冬に漆器が合う理由と漆器で食べたいおすすめ料理をご紹介します。


なぜ冬に漆器が合うのか 

冬に漆器を使いたくなる最大の理由は、手に触れたときの心地よさにあります。金属の器が冬に冷たく感じるのとは対照的に木と漆で仕立てられた器は冷たさを感じにくく、手に吸い付くように馴染みます。


口に触れたときも優しく温かい汁物でも器が熱くなりすぎない、漆器特有の滑らかな塗りは、冬の空気を和らげるような感触を持っています。 「温かいものを温かいまま、ぬくもりと一緒に」。それが漆器の魅力です。


漆器を使うメリット

漆器を使うメリットは木の器ならではの軽さ、手に馴染む感触です。 漆器は日々の食卓で使える実用の器でありながら、使うほど艶を育てる「育つ道具」です。 冬のように乾燥する季節でも、きめ細かな漆表面は手肌に優しい触れ心地を保ちます。


また、熱を伝えにくく保温性が高いので、汁物や温かい料理に最適。 食卓に並べるだけで整う和の丁寧な佇まいが魅力で、ほっと息をつく瞬間が増えていく季節の器です。


冬の漆器×おすすめ料理 

・白味噌雑煮

しんと冷えた朝、鼻先に冷たい空気を感じながら椀を開くと、白味噌の香りと湯気がふわりと立ちのぼり心の奥をゆるめてくれます。 漆椀に映る白と金時人参の紅は、冬のお祝いの色そのもの。


・根菜の炊き合わせ 

大根、里芋、ごぼう、にんじん。 冬の野菜は煮含めるほど甘く、滋味深くなります。 黒漆の器はその色彩と照りを引き立て、素材の力強さをそっと受け止めます。


・鮭と野菜の粕汁 

寒い日ほど食べたくなる、麹の香り豊かな粕汁。朱漆の椀に注げば、湯気が柔らかく立ちのぼり、ほおがほどける温かさ。飲み終えたあとまで体がぽっと火を灯したように温まります。


・蒸し野菜と胡麻たれ 

蕪、芽キャベツ、さつま芋、菊菜の香り。 蒸しただけのシンプルな料理こそ、漆器の上で凛と輝きます。胡麻だれの濃厚さが艶と響き合い、食卓にやさしい冬色が生まれます。


・餡と葛のおやつ 

葛湯の透明感、粒餡の温かさ。 漆椀を手に包み込むと、指先にじんわりとぬくもりが広がり、ただのおやつ時間が静かで豊かな冬のひとこまになります。


まとめ

冷たい外気から帰ってきたとき、湯気と器の温度が迎えてくれる安心感。漆器は見た目だけでなく手触りや口当たりまで含めて「冬の心地よさ」を演出します。 毎日使う器だからこそ季節に寄り添うものを選びたくなるのです。冬の食卓にひとつ漆器を添えてみてください。


 
 
 

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