屠蘇器を使ってお正月を祝おう!

お正月に飲む特別なお酒入れる屠蘇器。お正月以外にも結婚式やひな祭りなど、屠蘇器を使う場面はたくさんありますが、見たことはあっても実際に使ったことがない人も少なくないと思います。今回は屠蘇器の意味や種類、使い方について紹介します。


屠蘇器とは

屠蘇器とは、屠蘇と呼ばれる薬酒を飲むために使う酒器のことです。


・屠蘇を入れる銚子 ・屠蘇を注ぐ盃 ・重ねた盃を載せる盃台 ・銚子、盃、盃台を載せる屠蘇台 上記の4セットからなります。


セットによっては盃台や屠蘇台が無い場合もあるようです。最低限、大中小の盃と銚子があればいいのかもしれません。屠蘇器はお屠蘇だけでなく、酒を入れて結婚式(誓杯の儀)や結納(固めの杯)、ひな祭りなど、お祝いの席ではよく使われています。


屠蘇器に入れるお屠蘇とは

お屠蘇とは、お正月に飲む薬酒の事です。「山椒」や「細辛」など様々な生薬を混ぜ合わせた「屠蘇散」を作り、それを日本酒やみりんなどに入れて飲むことで、邪気を払い一年を通して健康でいられるようにします。


「屠」とは「邪を屠る」という意味、「蘇」は「蘇る(若返る)」という意味で、合わせて「悪いことなく健康で長生きする」という意味です。お屠蘇は意味がある薬酒ですので、決して正月に飲むお酒すべてがお屠蘇というわけでは無いのです。


元々お屠蘇は中国発祥と考えられており、日本へは平安時代ごろに来日しました。当時の中国から来た使者によって天皇に献上され、元旦に行われる「四方拝」への儀式にお神酒として用いられたのがきっかけです。


後の様々な形で国民へと広まっていきますが、きっかけとなったお神酒に習い、正月に飲んで邪を払い健康でいられるよう、今もなお続けられています。


屠蘇器の使い方

屠蘇器をそのまま使うのも良いですが、折角のめでたい日にそのままでは味気がありません。銚子飾りは、見た目が華やかになるだけではなく、歳神が降りる目印になると考えられているのです。


元々お屠蘇は儀式に用いられていた神聖な薬酒のため、決められた飲み方があります。

まず、使用する準備として銚子に水引の飾りを結び付けます。 屠蘇器を使うタイミングは新年の挨拶が終わった後、食事の前になります。


盃は、年少者から年長者へと順に進めていきます。

まず、年長者が年少者に小・中・大の盃に順にお屠蘇を注ぎ、お屠蘇を飲みます。計3回お屠蘇を飲んだら、年少者が2番目に若い人にお屠蘇を注ぎます。お屠蘇を飲み終えた人が次の若い人に注ぎ、家族全員が飲み終わるまで順に繰り返します。


なぜ最年少からというと、「毒見のため」「若い人のから英気を分けてもらうため」など、諸説あります。ですが、昔とは違い近年では毒見などは必要なく、他の祝い事と同じように、最年長者から始めることもあるようです。


また、小・中・大の盃を順に飲んでいきますが、面倒であることから中の盃だけで済ませることもあります。中の盃だけで済ませる場合は、中の盃を一口二口飲んだ後、三口目でお屠蘇を飲み干します。小と大の盃は盃台に置いたままです。


屠蘇器の種類

屠蘇器の材質は、主に漆器が使われることが多いです。お祝いの使用されるものですので、「黒内朱」または「総朱」に金の文様が描かれます。特に、総朱で金字が多いものほど高級品であることが多いです。 


銚子のデザインが変わったものや金属製のものがありますが、形状やデザインが違うだけで使い方はどれも同じです。漆器以外にも、錫やガラス、陶器製の物もあり、材質についても特に決まりがありません。


また、普段のお祝い事に使う屠蘇器とは別に、結婚式専用の屠蘇器というものもあります。これは、結婚式の三々九度で使う屠蘇器です。


漆塗りの種類

屠蘇器と言えば越前塗が有名です。越前塗とは、「日本の四大漆器産地」である越前で作られた漆器のことで、最も最古からあると言われる伝統ある漆器になります。


近年の越前塗は、昔ながらの品質を変えないまま、より強固に、そして大量生産に対応するための効率化が進められています。


屠蘇器は4セットからなるため、値段も張ります。一般家庭では気軽に手が出しにくく、お手軽に揃えられる越前塗が、広く広まったというわけです。もちろん、お手軽だといっても品質は問題ありません。丈夫で使いやすい漆器はもちろん、京都仕込みの「蒔絵」や、輪島仕込みの「沈金」などの加飾は、お祝いにふさわしい出来です。


他にも、輪島塗や金沢塗りなども有名です。職人の手によって作られる漆器は、高級屠蘇器として扱われています。


形状の種類

・枠足 一般的なお屠蘇の形です。低めの台に木枠がついています。 値段は、輪島型、松刳足(まつくりあし)に比べて安いです。


・松刳足 屠蘇台の側面に松形の穴があり、枠足よりも高い台です。 製作工程に手間がかかるために、枠足より値段が高くなります。


・輪島型 屠蘇台にわっぱの形をした穴があります。高さは枠足や松刳足も高くなっています。 輪島方の屠蘇器は高級品で、枠足や松刳足よりも高価です。


・平足 紹介した中で最も新しいのが平足です。デザインが豊富で、楕円形や長方形、足の無いトレー型など様々なものがあります。盃台と銚子もおしゃれなデザインのものになっています。 価格は、手ごろな価格から高価なものまで様々です。


・婚礼用の屠蘇器 銚子が2つついていて、朱塗りの屠蘇器が結婚式専用で使われます。 屠蘇台は枠足を使うことが多いです。


屠蘇器の保管方法

屠蘇器は日常的に使うことは少ないです。長い間保管していていざお祝事で出してきたときに傷ついていたり乾燥で割れてしまっていないように、保管の時に注意する必要があります。


まずは素材を確認し、汚れをしっかり落とし水気を取ってからしまいましょう。 器を新聞紙ややわらかい布などで包んでから、箱に入れます。箱は、購入時についているものが多いと思うので、捨ててしまわないように気を付けてください。


漆器は乾燥や直射日光に弱いので、暗所に収納してください。余裕がある方は、たまに箱を開けて空気に触れさせると良いです。


気を付けて保管すれば、何年も美しい屠蘇器をお使い頂くことができます。


まとめ

屠蘇器はお祝いの場でよく使われていますが、昔と比べて近年では、お屠蘇の作法は減ってきています。本当に大切なのは健康な生活を送ることではありますが、お正月に一年の健康を祈って、伝統ある作法を試してみてはどうですか?