top of page

味噌汁のお椀を漆器に。選ぶポイントを徹底解説!



毎日の食事やお客様をおもてなしする際など、日々使うお椀にはこだわりたいですよね。そんな時は、いつものお味噌汁をちょっと贅沢に感じさせる、漆塗りのお椀をチョイスしてみるのはいかがでしょうか。

普段使いの自分用はもちろんのこと、贈り物などにしても喜ばれますよ。漆器初心者でもしっくりくるお椀と出会うためのポイントを解説していきます。


漆器とは?1分でわかる漆のなりたち

海外では「Japan」というと「漆」のことをさす位、漆器は数ある日本の伝統工芸品を代表する存在です。

漆の木は、日本・中国・韓国・東南アジアなどに広く分布していますが、中でも日本の漆が最も上質と言われています。


以前は日本各地で生産されていた漆ですが、現在では日本で使用されている90%以上が中国から輸入されたものです。日本産の漆は少なく高価格なため、主に神社仏閣の補修などに使用されています。


漆の種類

漆の木表面に傷をつけると出てくる白濁の樹液が漆の原料で、原液そのままの「生漆(きうるし)」、生漆を加熱して水分を飛ばしたり、混ぜて成分を均一にしたりといった精製によってできる「透漆(すきうるし)」に、黒錆を加えて着色した「黒漆」、顔料を加えた朱色・緑などの「色漆」といった種類があります。


漆の魅力

漆を塗りつける土台に使用される器の素材との相性や、産地の気候条件によって、色合いや艶感などもひとつひとつ全く違った表情を見せてくれるのが、自然素材である漆の魅力の一つです。

使用用途に合わせ、様々な種類の漆を配合しながら器そのものの美しさと実用性とをいかに兼ね備えたものをつくるかが、漆器職人の腕の見せ所になります。


こだわりのお椀の選び方

せっかくこだわってお椀を選ぶなら、長く使えるものを選んでみてください。失敗しないお椀の選び方を紹介します。


持ちやすい物を選ぶ

毎日のように使うお味噌汁のお椀は、自分の手のサイズに合った物を選ぶことがポイントです。手に持ったときの感じがしっくりくる形やサイズを選びましょう。


お椀に手を添える時の基本スタイルは、お椀の縁に親指、高台の下に中指と薬指がくる形になるので、持ちやすいように一般的なお椀は直径10~12㎝に作られています。 お椀の高さは大体6~7㎝あれば、お椀の中身も見えて持ちやすいです。持ちやすさには個人差があるので、お店で手に取って確認してみてください。


また、持ちやすいだけでなく、お椀に口をつけたときの感じや汁物が飲みやすい形を選ぶことも大切です。


デザインにこだわって選ぶ

毎日お味噌汁を作って飲みたくなるような、素敵なデザインのお椀を選びましょう。お椀はお味噌汁だけしかいれられないと思っている方もいると思いますが、シンプルなお椀を選べばスープを入れたり小鉢の代わりとして使ったり、和食以外にも使えます。


家庭の雰囲気に合ったものを選べば、統一感が出て料理をするのが更に楽しむことができます。


機能性が高い物を選ぶ

仕事や子育てで忙しい方は、食洗機や電子レンジ対応のお椀がおすすめです。食後の後片付けや料理を時短にすることができます。

漆器のお椀は食洗機や電子レンジに対応していないものもあるので、購入時に一度確認してみてください。


迷った時は拭き漆がおすすめ

漆器を買いたいけど、初めてでよくわからないという場合は、拭き漆のお椀をおすすめします。


拭き漆とは、木目がキレイに見えるように何度も漆を塗って拭き取ったものです。よく見かける黒や朱の漆器と同じく、丈夫で抗菌性にも優れています。塗の工程が少ないので、値段も手ごろなものが多いため、初めて漆器を使おうと思っている方も購入しやすいです。


用途別、漆塗りの木製お味噌汁椀おすすめ

自分用の普段使いはもちろんのこと、親しい方へのプレゼントや家族のお祝い事の際にも、 漆器は大活躍。シーン別おすすめの木製お椀をご紹介していきます。


自分用のお味噌汁椀なら、下地は木製のものを

せっかくこだわりを持って毎日お味噌汁に使うお椀を選ぶなら、長くずっと使える木製、漆塗りのお椀がおすすめです。


軽さ、耐熱性のある木製の素地に、自然界で最も強度があるともいわれる漆を塗ったお味噌汁椀は、手に持った際の肌なじみもよく、何代にも渡って使うことのできる耐久性も兼ね備えています。


木製のお椀の素材として、最高級とされているのは欅(ケヤキ)。木目の規則正しさが美しく、漆との相性も大変良いとされています。その他の木材としては、ミズメ桜・栃・センノキなどが用途や価格などにより使い分けられています。


また一部では、木の粉に樹脂をまぜ、型を使って固めたものも出回っています。天然木加工品や木合と呼ばれ、木製に比べて価格を抑えることができ、複雑な形に成型することができる点が特徴です。


純粋な木製のものに比べると少し重く、また質感などはやはり落ちますが、耐久性は木製のものと比べて遜色ありません。プラスチックよりは木の質感に近く、なにより手頃な価格で漆器の感覚を味わえるのが魅力です。


木製のお椀は結婚祝いにもピッタリ

漆器は木製の器を土台にしているため、ガラスや陶器のものよりも「割れにくい」「欠けにくい」といった特徴があります。また漆自体も堅牢性、抗菌性に優れているため、何代にも渡って使われることもある、という点で縁起が良く、お二人の末永い幸せを願う、結婚祝いとしても重宝されます。


黒漆と朱色の漆のペア汁椀は、特に人気のアイテム。 白や黒など落ち着いた色にまとまりがちな和食器に、漆塗りの食器の艶や朱色の鮮やかさが映えるので、おめでたい雰囲気を一層盛り上げます。



漆塗りのお椀のお手入れ方法

こだわりのお椀を見つけたら長く使っていきたいものです。 漆塗りのお椀のお手入れについても簡単にご紹介します。


漆塗りのお椀は、木製のため直射日光に弱いので保管場所は直接日の当たらない場所が適しています。


洗い方は、普段使っている食器用洗剤を使って柔らかいスポンジで洗ってください。ガラスやフォークなどの堅いものがお椀に当たってしまうと傷が付いてしまう恐れがあるので注意が必要です。


洗った後は、水滴が残ってしまうとカビが生える原因になってしまうので、しっかりと布巾で水分を拭き取ってください。


おすすめの汁椀












とっておきのお椀で、毎日の食卓に彩りを

素朴な色合いになりがちな和食ですが、お味噌汁のお椀が漆器になるだけで、日々の食卓に彩りを添えることができます。自分の手にしっくり馴染むお味噌汁椀との出会いの瞬間は、毎日の食事をより楽しく豊かにしてくれますね。 とっておきの木製漆塗りのお椀を、暮らしの相棒に取り入れてみてください。

Comments


bottom of page