漆器を洗う時、丁寧に扱わないといけないと言われていますが、食器洗浄機が普及してきたことにより漆器を入れて洗っても大丈夫なのか?と心配する方が増えてきています。 今回は、漆器と食器洗浄機の関係についてご紹介いたします。
漆器は食器洗浄機に向いていないうつわ!
本漆は急激な温度変化に対応できないため、食器洗浄機や乾燥機には向いていません。 本漆なら、表面が白濁してしまうし、熱とアルカリによって塗りが剥げたり、ひび割れが入る恐れが非常に高いです。 蒔絵入りの物ならば、折角の蒔絵が黒ずんでしまうし、本体がフェノール樹脂製なら、変形することがあるので食器洗浄機には向いていません。
食器洗浄機の存在を無視できない漆器業界
食器洗浄機が向いてないと言いましたが、漆器業界も食器洗浄機の普及を無視することができません。
そこで「MR漆」という食洗機にも使える漆や、プラスチックに合成塗料を塗り漆器に見せる「合成漆器」が最近では多く見られます。
MR漆とは
MR漆とはローラーの間に漆を一滴ずつ落とし、細かい粒子につぶしていき作成する漆です。 細かい粒子になることで紫外線に強く、硬さや丈夫さを兼ね備えた漆になります。 いろいろな機関で試験を行い、食洗機にいれても漆が剥離しないと立証されています。
合成漆器とは
合成漆器とは主原料がプラスチック樹脂を使用し化学塗料をエアスプレーで塗布したものになります。 木や漆だけでは実現できなかった耐久性や合理性、メンテナンスの容易さを実現しています。 形や色も本物の漆器とは違って自由度は高いです。
おすすめの食洗機対応の漆器
まとめ
時代に合わせて漆器も進化を続けています。 ご紹介をした、MR漆や合成漆器を使用し利便性をとるのもいいですが、本物の漆を丁寧に扱い長く使って光沢の変化や、色の変化を楽しむのもまたいいものです。 そういう接し方も含め、漆器を楽しみましょう。
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