漆器と聞くと漆を塗った器だったり調度品を思い浮かべる方が多いと思います。
ではその漆を塗っているうつわなどの素材はなんなのでしょうか?昔から漆と相性のいいものが漆器の材料として扱われてきました。
今回はそんな漆器の材料についてご紹介します。
漆器に使われている様々な材料を知ろう
漆の木から漆を採取しても、塗らないことには意味がありません。
木や布などの材料に漆を塗って初めてひとつの作品になります。この漆を塗る材料というのが様々で、使う材料によって呼び名が変わります。
木材を使う
漆器といえば木製のものがほとんどです。
木を使用した漆器はとても軽く、丈夫で熱を通しづらくとても使いやすいです。
また木は好きに削ることができるので、自分の思い通りの形に仕上げることができ、漆器の材料として向いています。木に漆を塗ったもののことを「木胎(もくたい)」と呼びます。
使う木の種類は様々ですがヒノキやケヤキ、桜などが主流です。
竹を使う
竹は木材と違い温度や湿度での伸び縮みがなく、軽い素材として扱われています。
竹は軽くてしなやかなので、編みこんだ竹に漆を塗り、籠を作ることが多く柔らかい印象の作品に仕上がります。竹に漆を塗ったものを「藍胎(らんたい)」と呼びます。
布を使う
布を材料として漆を塗ることもあります。布に漆を塗るときはまず石膏などで型を作り、その型に合わせて漆を塗ったり、布を張り合わせたりします。
この作業を何度も続け、最後に型を外すことで完成します。布に漆を塗ったものを「乾漆(かんしつ)」と呼びます。
まだまだあるいろんな材料
上記で説明した3つが漆器に使われる代表的な材料になりますが、これ以外にも様々なものが漆器の材料として使われています。
動物の皮→漆皮(しっぴ)
紙→紙胎(したい)
焼き物→陶胎(とうたい)
金属→金胎(きんたい)
漆器のなかでもこれらの材料を使用したものはメジャーなもの比べるととても少ないです。
現代の漆器
最近では、いままでの古風な漆器と違ったものということで、合成樹脂やガラスにも漆を塗って作品をつくる活動もされています。
漆はあらゆるものに塗ることができ、万能な塗料だということがわかります。
まとめ
一口に漆器といってもたくさんの材料があり、その組み合わせでいろいろなものができます。今回紹介したもの以外にも世界にはいろいろなものに漆を塗っている職人さんがいます。
これからもどんどんいろんな種類の漆器が世界に羽ばたいていくと思います。
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