「Japan」とよばれる漆器は世界に誇れる日本の文化です。 その漆器に使われている塗料の漆は縄文時代から使われていたという記録があります。 今回はそんな漆と縄文時代の繋がりをご紹介します。
世界最古の漆は縄文時代
漆は縄文時代から使われていました。最古のものは北海道の函館市で発見され、約9,000年前の漆を使った注口土器の副葬品になります。 福井県や青森県からも漆の塗られた櫛などが発見されています。
最古のものは9,000年前のものだと判明
函館市で出土されたものは当初、年代を特定できるものはありませんでした。 そこで、脳漿が溶け出した場所の腐食した土と漆の破片が含まれている土をアメリカの分析会社に送ったところ約9,000年前のものと結果がでたようです。
漆塗りのお椀
普段から皆さんがお味噌汁を飲むときなどに使っている漆塗りのお椀ですが、縄文時代の後期にはすでに使われていた記録があるのです。
茨城県つくば市の上境旭台貝塚で漆塗りの容器が出土されています。 容器の表面には文様が彫刻されていたり、黒漆と赤漆を重ね塗りした縞模様なども描かれていました。
縄文時代に漆が使われていたもの
漆が使われていた出土品はたくさんあります。
・お椀、お皿、鉢、つぼ、土器などのうつわ ・弓の矢じりなどの武器 ・櫛や腕輪などの装飾品
漆でも赤色が多く使われています。理由は縄文人にとって赤色は特別な色で魔除けや再生などを意味しているのではと言われています。
まとめ
みなさんもご存知の通り漆はかぶれますが、そんな思いをしてでもいろいろなものに使うほど漆は万能な塗料だったのだと思います。 現代では漆の必要性は薄くなっていっているのかも知れませんが、縄文時代から変わらず万能な塗料ですので、漆を使った漆器製品を一度使ってみてはいかがでしょうか。
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